「ゲス不倫」を炎上させなかった大物政治家の説得力 | Smart FLASH[光文社週刊誌]スマフラ/スマートフラッシュ
https://smart-flash.jp/sociopolitics/6039
かつて、ヤジ将軍・政界の大狸と異名をとった政治家がいた。三木武吉(1884〜1956)である。自由民主党結党による保守合同――いわゆる55年体制を作り上げた最大の功労者として著名である。
ところが、1952年、衆院選の立会演説会の際、対立候補・福家(ふけ)俊一が次のような言葉で暗に三木を攻撃した。
「ある有力な候補者は、妾を4人も持っている。このような不道徳な輩を国政に出す訳にはいかない」
続いて演壇に立った三木は慌てふためくかと思いきや
「私の前に立ったフケ(=福家)ば飛ぶような候補者が、ある有力候補と申したのは、この三木武吉であります。
なるべくなら、皆さんの貴重なる一票は、先の無力候補に投ぜられるより、有力候補たる私にと三木は考えます。 なお、正確を期さねばならんので、さきの無力候補の数字的間違いを、ここで訂正しておきます。
私には、妾が4人あると申されたが、事実は5人であります」
余裕綽々で大胆にも愛人の数を自ら暴露したのだ。三木は言葉を続ける。
「5人の女性たちは、今日ではいずれも廃馬と相成り、役には立ちませぬ。が、これを捨て去るごとき不人情は、三木武吉にはできませんから、みな今日も養っております」
この言葉を聞いた聴衆は、非難するどころか三木を拍手したし、無事に当選させた。
2016年の不倫と何が違うのか。時代背景だけでなく、人間の正直さと情の違いが大きいのだろう。
不倫発覚時、べッキーも川谷も「親しい友人」とウソをつき、宮崎元議員も「知らない」とシラを切った。その後、恥ずかしいラインのメッセージを公にされ、ギャフンとなってしまった。
「不倫は不倫じゃないか!」との反論もあろうが、かつては大人物といえる人間がいたということだ。
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かつて、ヤジ将軍・政界の大狸と異名をとった政治家がいた。三木武吉(1884〜1956)である。自由民主党結党による保守合同――いわゆる55年体制を作り上げた最大の功労者として著名である。
ところが、1952年、衆院選の立会演説会の際、対立候補・福家(ふけ)俊一が次のような言葉で暗に三木を攻撃した。
「ある有力な候補者は、妾を4人も持っている。このような不道徳な輩を国政に出す訳にはいかない」
続いて演壇に立った三木は慌てふためくかと思いきや
「私の前に立ったフケ(=福家)ば飛ぶような候補者が、ある有力候補と申したのは、この三木武吉であります。
なるべくなら、皆さんの貴重なる一票は、先の無力候補に投ぜられるより、有力候補たる私にと三木は考えます。 なお、正確を期さねばならんので、さきの無力候補の数字的間違いを、ここで訂正しておきます。
私には、妾が4人あると申されたが、事実は5人であります」
余裕綽々で大胆にも愛人の数を自ら暴露したのだ。三木は言葉を続ける。
「5人の女性たちは、今日ではいずれも廃馬と相成り、役には立ちませぬ。が、これを捨て去るごとき不人情は、三木武吉にはできませんから、みな今日も養っております」
この言葉を聞いた聴衆は、非難するどころか三木を拍手したし、無事に当選させた。
2016年の不倫と何が違うのか。時代背景だけでなく、人間の正直さと情の違いが大きいのだろう。
不倫発覚時、べッキーも川谷も「親しい友人」とウソをつき、宮崎元議員も「知らない」とシラを切った。その後、恥ずかしいラインのメッセージを公にされ、ギャフンとなってしまった。
「不倫は不倫じゃないか!」との反論もあろうが、かつては大人物といえる人間がいたということだ。