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No.16397 名無しさん - web村と広告の物語

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web村と広告の物語
http://anond.hatelabo.jp/20150920110830

199x年。インターネット接続が一般的になり、多くの人たちがやってきてweb村ができました。

村民は情報のやり取りをしたい人たちです。情報を拡散したい人と情報を必要としている人たちです。

彼らの多くは対価を求めることなく情報を受渡しあっていましたが、お金を支払ってでも情報が欲しい人は何らかの方法でお金(あるいはそれに類するもの)を渡して情報を得ることもありました。

彼らは基本的に村外の経済圏に仕事をもっており、web村で大規模な経済的エコシステムを形成することはありませんでした。



やがてweb村のことを聞きつけた広告屋が村にやってきて、情報を供給する人たちに言いました。
「供給する情報に広告を入れると広告主からその対価を得られますよ。良かったら広告主を紹介しましょうか?」


彼らは情報を供給する人に、広告を入れることで報酬を得られることを教え、広告を出したい人たちとのパイプ役を買って出ました。


こうして情報は広告まみれになりました。それでも「情報が先」の時代はまだマシでした。やがて広告を掲載するための媒体として情報を作るという「広告が先」の時代が訪れます。広告のための情報を作るコンテンツ屋がたくさん現れます。




情報を受け取る側の人たちは、自分たちが知らない間に村に経済エコシステムが構築され、そこに取りこまれていることに気が付き始めます。


必要としている情報にアクセスしたつもりが、そこは不要な広告であふれています。
広告と判断できればまだ良いほうです。隣人とおいしい飲食店について雑談していたつもりが、隣人はお店からカネをもらっていました。
村の信号機は、表示が変わるタイミングで広告を表示するようになりました。広告の後でないと赤なのか青なのかわかりません。
公園の水道にも広告が入りました。広告を見なければ水は飲めません。
村民が真っ青なな顔で公衆トイレに飛び込んできても、用が足せるのはyoutuberの商品紹介を見た後です。


こうした状況に憤った一部の村民が広告をスルーするツールを作り、供給し始めます。

広告を受け取ってもらえないなら、広告主は現れません。困ったのは広告屋とコンテンツ屋です。


広告屋とコンテンツ屋は村の往来で叫びました。
「広告を見ることでコンテンツを得られるんだ!広告を見ないことはタダ乗りだ!悪質なフリーライドだ!」
「広告を見ないならコンテンツは供給しないぞ!」



それを遠巻きに見ていた村民たちは言いました。
「お前らが勝手に作ったエコシステムだろ?俺たちを巻き込むなよ。」
「気づかれないようこっそり作ったエコシステムに望まない人たちを巻き込んでおいて、排除されそうになったら逆切れか。」
「俺たちは、村から経済エコシステムが無くなってもそれほど困らないよ。もともとそういう場所だったしね。」
「村に経済エコシステムを構築してそこで食べていきたいなら、もう少し健全な形にしようとは思わんのかね?」

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ブコメの指摘を反映して一部修正。その他ちょっと加筆。

http://anond.hatelabo.jp/20150919145704

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